この記事の要約
雑菌との触れ合いがばい菌に強い体をつくるのです。清潔にしている人は、腸内細菌が育ちません。腸内細菌は雑多な菌が腸に入ってくることで鍛えられるからです。外から菌が入ってこない生活は、腸内フローラが整わず、腸内細菌は弱り排除する力がありません。
参考文献:
腸をダメにする習慣、鍛える習慣 ~腸内細菌を育てて免疫力を上げる30の方法~ (ワニブックスPLUS新書)
1. 大腸菌の生き延びる手段
恐ろしいことというのは、雑多な菌が身の回りにいないということです。
事例として、o157や、o117について考えてみます。
o157や、o111は、大腸菌の変種でであり、人が大腸菌を悪いもの扱いし抗菌薬や、殺菌剤を使って排除しようとしたため、大腸菌は生き延びるために、約200種もの変種を生み出したというのです。
その多くの大腸菌の変種が、生き抜くために強い毒性を持つようになったと言われています。111番目に生まれたのが、o111で、157番目に生まれたのが、O157です。
2. O157の食中毒
近頃、O111や、o157による食中毒が増えていて、死亡する人が増加しています。社会的にも大きな恐怖です。
ところがO111やO157の実態とは、それほど強い菌ではないのです。菌の持つエネルギーを全体で100とすると、毒素を生み出す菌は、毒素の産生に、70を使ってしまうので、生きる力は30ほどに落ちてしまいます。生きる力が弱くなるので、雑多な菌がいる場所では生きられないのです。
他の雑多な菌に負けてしまうほどやわな菌たちです。弱い人がツッパリを演じているようです。ところが無菌の場所では、天下を取ったかのように増殖します。O157や、O111が猛威を振るうのは、衛生管理が行き届いた給食の現場や、レストランの厨房などです。
O157で問題になる場所は、実は、大変清潔な場所だということなのですね。
3. 死と生き延びる人の違い
日常的に、雑多な菌と、触れ合っているかで、O157やO111に感染して死亡してしまう人と軽い下痢で済ましてしまう人の違いがでてきます。
いつも清潔に気を使いすぎてる人は、腸内細菌が育っていません。腸内細菌は、雑多な菌が腸に入ってくることで、鍛えられ、活性するからです。外から菌が入ってこない生活をしている人は、腸内フローラが整わず、腸内細菌は、平和ボケして安心してしまい、排除する力を持てなくなってしまいます。
4. 風邪のウイルスでの抵抗も落ちている
近頃は、インフルエンザや、ノロウイルスなどが猛威を振るっています。新型ウィルスも現れています。日本人は、日頃から、除菌して暮らしているので、免疫力が低下しているとみられています。そのため、感染症で重症化する人が多いのです。
一つの菌だけが猛威を振るうのは、手や喉に雑多な菌が育っていないからです。しかし、雑多な菌がいない場所では、一つの菌が簡単に繁殖できてしまいます。
5. 日頃の手洗いで石鹸を使いすぎている
外から帰った後でも、流水で10秒も洗えば、手についたウイルスは流せるそうです。流水の手洗いが大事な皮膚常在菌を守り、手についた病原菌を洗い流す手段です。石鹸は手に見える汚れを消したいときや、入浴時のみで十分でだそうです。
うがいも同じで、水で十分です。風邪予防として、体を守ってくれる常在菌を殺してしまうような、うがい薬でうがいするのは、やめたほうが良さそうです。
6. 抗菌薬、抗生物質の使用に注意
抗菌薬は、微生物が産出する物質でつくられます。
抗菌薬、抗生物質の弊害:
細胞壁の合成を邪魔をする、
タンパク質をつくらせないようにする、
細胞の核の働きを止める、
病原菌の活動を止めたりして増殖を食い止めるが、抗菌薬が増殖を止めてしまうのは、病原菌だけではない。
免疫細胞や、腸内細菌にも同様のダメージを与える
抗菌薬で殺せるのは、細菌のみ
7. 風邪の95パーセントは、ウイルスが原因
風邪で抗菌薬を飲んでも治りません。
風邪で抗菌薬を服用する目的:風邪で弱っている体に、他の菌が感染して、重篤な症状を起こさないよう二次感染を防ぐこと
抗菌薬には、二次感染を防ぐ効果がない
抗菌薬は、肺炎や結核など、どうしても飲まなければいけない時にする、
通常は使用を控える
普段から頻繁に飲んでいると、免疫力が弱まる、
肝心な時に感染症を防げなくなってしまう
まとめ
多くの大腸菌の変種が、生き抜くために強い毒性を持つようになった
O157で問題になる場所は大変清潔な場所
雑多な菌がいない場所では一つの菌が簡単に繁殖する
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