この記事の要約
食物繊維を摂ると悪玉菌は良い働きをするのです。腸内バランスが乱れると悪玉菌は有害な物質を作り出します。セルロースをしっかり摂って、大腸菌をはじめとする悪玉菌を働かせ、大腸菌たちの縄張りを広げさせないことです。人体に有益な働きをしてくれます。
参考文献:
腸をダメにする習慣、鍛える習慣 ~腸内細菌を育てて免疫力を上げる30の方法~ (ワニブックスPLUS新書)
1. 腸内フローラの理想
腸内フローラの理想は、善玉菌たくさん、日和見菌ほどほど、悪玉菌少々です。日和見菌という菌たちは、名前の通り強いものに巻かれろって感じで、善玉菌が多い時には、良い働きをします。悪玉菌が増えると悪いことを始めます。善玉菌が増えると腸内フローラが整うのは、多勢の日和見菌が善玉菌側についたことに関係しています。
腸には、悪玉菌と呼ばれる菌が存在しています。悪玉菌という名前に分類される腸内細菌は、体に悪い菌だと思われていますが、それは間違いなのです。
免疫システムは、悪玉菌が病原菌と同じものと判断しているならば、排除するはずですが、免疫システムは、悪玉菌の存在を容認し、腸でほかの腸内細菌と共存することを受け入れています。実は悪玉菌も、人体に大切な役目を果たしています。悪玉菌の代表である大腸菌の働きを見てみます。
2. 大腸菌の役割
大腸菌は、O157など有害な菌が侵害してきた時、排除するために、働きだすボディーガードの役割をしています。大腸菌は、腸内細菌たちの大好きな食物繊維の一つである水に溶けない不溶性のセルロースを分解します。
私たち人間は、セルロースを分解する酵素を持っていないのですが、大腸菌などの腸内細菌たちが、セルロースを分解してくれています。
分解している過程で、人体に必要なビタミンを生成してくれている、いい仲間たちだったのです。人間は、大腸菌がいなくては生きていけないのに人間は、彼らを悪玉菌という悪者にしてしまっているのです。
悪玉菌には、もう一つの顔があるのです。数を増やすとタンパク質やアミノ酸を分解し、アンモニアや硫化物アミンなどの有害物質を作り出します。これらの物質は、臓器を傷つけ、次にあげる生活習慣病を引き起こす原因にもなっているためです。脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化、高血圧症、ガンなどです。また老化の原因にもなります。
臭いのきつい大便やオナラは腸内で悪玉菌が増えている証拠です。そのため、悪玉菌と呼ばれてしまっているのです。大腸菌をはじめとする悪玉菌と呼ばれる菌たちを増やしてしまうことに問題があるのです。
3. 腸内バランス
善玉菌と悪玉菌は、腸内でびっしりと存在し、縄張り争いをしています。食事や生活において、腸内バランスを整えていくことで悪玉菌を増やさないようにすることが重要です。
善玉菌を増やし続けることには、シンバイオティクスを毎日実践し、セルロースをしっかり摂って、大腸菌をはじめとする悪玉菌を働かせ、大腸菌たちの縄張りを広げさせないことです。
野菜類、マメ類、果物類を、毎日の食事から、十分な量を摂ることが重要になってきます。マメ類果物類には、善玉菌のエサとなるオリゴ糖や、糖アルコールが豊富でその上、食物繊維も含んでいます。食物繊維が入ってくれば、大腸菌などの悪玉菌もよく働き、これを分解して、ビタミンを合成し、悪さをしなくなります。
4. 食物繊維
食物繊維には、大きく二つの種類があります。
1. 不溶性繊維の食物繊維セルロース:セルロースは、腸で吸収されず、大腸に送られて、やがて排泄されます。
排泄される過程:腸や、大腸にある不要物や水分を吸着して大便をつくります。腸内細菌の死骸や、生きた腸内細菌のほか発がん物質などをまとめて大便をつくり、排出します。
セルロースを豊富に含む食品:大豆、いんげん豆、小豆などのマメ類のほか、キクラゲ、干し椎茸など。
2. 水溶性の食物繊維:水溶性の食物繊維の特徴は、腸内で発酵しやすく、善玉菌を増やします。粘着性があって胃や腸をゆっくり移動しますので、空腹になりにくく、ダイエットにも適っています。
また糖質の吸収を緩やかにし、食後の血糖値を急激に上がるのを押さえてくれます。
水溶性の食物繊維を多く含む食品:昆布、ワカメなどの海藻類、里芋、豆類、果物、カンピョウ、エシャロットなど。
まとめ
腸内フローラの理想は、善玉菌たくさん、日和見菌ほどほど、悪玉菌少々
セルロースを分解する酵素を持っていないので大腸菌などの腸内細菌たちがセルロースを分解してくれる
善玉菌を増やし続けることにはシンバイオティクスを毎日実践しセルロースをしっかり摂る