アレルギーや自己免疫疾患が抑えられている

アレルギーや自己免疫疾患が抑えられている

この記事の概要

アレルギーや自己免疫疾患が抑えられていることがわかりました。それはクロストリジウム菌の働きによるものです。その菌は、免疫細胞の過剰な攻撃を抑える役割を持つTレグ細胞を腸内でつくり出します。全身の各所で過剰に活性化し暴走している免疫細胞がなだめられます。

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1. 自己免疫疾患

2018年1月14日午後9時「NHKスペシャル『人体』 万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった」を見た感想について。

体を守るために、腸で訓練されているはずの免疫細胞が「暴走」しているのです。現代人の間では、免疫細胞は、攻撃する必要のないものまで攻撃してしまうということが急増しています。

自己免疫疾患という病気は、さまざまな「アレルギー」や、免疫細胞が自分の細胞を攻撃してしまうのです。

最新の研究では、免疫の暴走が招く病気の患者さんに「腸内細菌の異常」が生じていることが明らかになってきました。

このような症状の多くは、腸博士の藤田紘一郎先生によると、清潔すぎる環境によって、腸内細菌が減ったり、バランスを崩してしまうのが原因だそうです。 今回番組で取材したイギリス在住の22歳の女性アスリートが紹介されていました。

彼女は、4年前に突然、命に関わるほど重症のアレルギーを発症しました。そのことは、深刻なショック症状を繰り返して、幾度も生死の境をさまよってきたとのことでした。

彼女の便を検査しました。そうしたところ、ある特定の種類の腸内細菌が健康な人と比べて明らかに少なくなっていることがわかりました。

もう一つの事例は、日本でいま急増している「多発性硬化症」という病気です。免疫細胞が暴走して脳の細胞を攻撃してしまうという難病で、手足のしびれから始まり、症状が進むと歩行困難や失明などの恐れもあるというのです。

この病気の患者さんの便を調べると、同様に、特定の種類の腸内細菌が少なくなっていることが分かりました。


2.病気に共通した腸内細菌クロストリジウムの減少

番組の中では、人間の腸内にいる腸内細菌はおよそ1000種類、100兆個以上とも言われていると説明がありました。

その中で、今回取材した重症のアレルギーと、多発性硬化症、異なる2つの病気に共通して減少していた腸内細菌が分かりました。

それが「クロストリジウム菌」という腸内細菌の仲間だというのです。聞いたことのない名前でした。

およそ100種類いると言われるクロストリジウム菌の中で、ある種類が少なくなっていることが、どうやら「免疫細胞の暴走」と深く関わっているらしいというのです。

クロストリジウム菌は、今世界の研究者が大注目していますが、クロストリジウム菌の中には、病気を引き起こす有害な菌もいるとのことです。

有害な菌に変化するというのは、腸内細菌のバランスが乱れたり、悪玉菌優位な食事をしてしまう時です。多くの場合、食物繊維をたくさん摂れば、腸内は安定します。


3.クロストリジウム菌の役割

ご紹介された2人の患者さんの腸内で減少していた腸内細菌のクロストリジウム菌は、腸の中で何をしているのでしょうか。

※クロストリジウム属の菌は、土壌内部や生物の腸内などの酸素濃度が低い環境に生息する偏性嫌気性菌であり、酸素存在下では増殖できません。

「その謎を解く鍵は、免疫研究の世界的権威、大阪大学特任教授の坂口志文さんが発見した『特別な免疫細胞』にありました。

これまで免疫細胞と言えば、外敵を攻撃するのが役目と思われていましたが、坂口さんが新たに発見された免疫細胞は、その逆。むしろ仲間の免疫細胞の過剰な攻撃を抑える役割を持つことが突き止められました。

その免疫細胞は、「Tレグ(制御性T細胞)」と名付けられています。免疫細胞の中には、「攻撃役」だけでなく、いわば「ブレーキ役」も存在していたのです。

このTレグの働きで、全身の各所で過剰に活性化し暴走している免疫細胞がなだめられ、アレルギーや自己免疫疾患が抑えられていることがわかってきました。

なんとそんな大事なTレグが、腸内細菌の一種であるクロストリジウム菌の働きによって、私たちの腸でつくり出されていることが、最新研究で明らかになってきました」

「NHKスペシャル『人体』 万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった」から引用。


4.クロストリジウム菌のエサとは

クロストリジウム菌は、私たちの腸内の「食物繊維」をエサとして食べ、「酪酸」と呼ばれる物質を盛んに放出します。この物質、実は腸に集結する免疫細胞に「落ちついて!」というメッセージを伝える役割を担っているというのです。

※酪酸は大腸を動かす最大のエネルギー源で、腸管粘膜の傷を修復しています。酪酸がないと大腸は正常に機能しないとのことです。

酪酸は、制御性T細胞の数を増やし、免疫のバランスを調節するという役割をもっています。


5.制御性Tレグ

クロストリジウム菌が出した酪酸が、腸壁を通って、その内側にいる免疫細胞に受け取られると、Tレグへと変身するというのです。 もし腸内でクロストリジウム菌が出す酪酸が少なくなると、Tレグも適正に生み出されなくなるようです。

番組で紹介されていたあの重症のアレルギー患者さんや、多発性硬化症の患者さんは、腸内でクロストリジウム菌が少なくなっており、腸内でTレグを生み出す働きが弱くなっていることが考えられます。


6. 食繊維が免疫の暴走を防ぐ

Tレグを体内で、増やすことができれば、現在、世界中で急増しているアレルギーや自己免疫疾患の病気を抑えることが出来ると期待されています。それでは、どうすればTレグを増やせるのでしょうか。

クロストリジウム菌が腸内にたくさんいるマウスを2つのグループに分け、一方のグループには食物繊維が少ないエサを、もう一方のグループには食物繊維たっぷりのエサを与え続ける実験が行われました。

実験結果、食物繊維たっぷりのエサを与えたマウスの腸内では、食物繊維が少ないエサを与えたマウスに比べて、Tレグがおよそ2倍も多く生み出されたのです。

クロストリジウム菌は、エサとなる食物繊維を多く食べれば豊富に「酪酸」を放出し、腸でたくさんのTレグを生み出すことが分かりました。


7. 食物繊維と日本人

日本人は、縄文時代の狩猟採集生活のころから、木の実やキノコなどから多くの食物繊維をとってきたと考えられます。

その後も日本は、海藻や根菜などの食物繊維がたっぷりの食事を摂っていました。

日本人の腸内には、縄文時代以降も食物繊維を好んでエサにするクロストリジウム菌などの腸内細菌が多く住み着くようになったと考えられているのです。(海藻を分解することが出来る腸内細菌などは、日本人の腸に特有のものとして知られています。)

日本人の腸内細菌は、食物繊維などを食べて「酪酸」など“免疫力をコントロールするような物質”を出す能力が、他の国の人の腸内細菌よりずば抜けて高かったのというのです。

このような理由で、日本人は穏やかな人が多かったのでしょう。

日本人の腸には、「鉄壁の免疫力」を生み出す潜在能力が、誰にでも受け継がれているらしいのです。 しかしながら、戦後、日本人の食生活は大きく欧米的な食生活へと変化しました。食物繊維の摂取量が減ってきています。

急激な食の変化に、長い時間をかけて日本人の腸と腸内細菌が築き上げてきた関係性が対応しきれなくなったというのです。

これによってアレルギーや自己免疫疾患など「免疫の暴走」を増加させたようです。


まとめ

腸で訓練されているはずの免疫細胞が「暴走」している
減少していた腸内細菌クロストリジウム菌
免疫細胞の暴走を止めるTレグ
食繊維が免疫の暴走を防ぐ


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