テロメアが寿命を決定している

テロメアが寿命を決定している

この記事の要約

テロメアが寿命を決定しているようです。寿命の違いはテロメアにあったのです。人間のテロメアは誕生時に1万塩基対あり、年平均50塩基対づつ短くなります。約5,000塩基対まで短縮すると細胞の寿命が尽きます。細胞の終わりとは、死を迎えることなのです。


寿命の要因

人の寿命は何が決めると考えていますか。病気を持っているかいないか、両親から受け継いだ遺伝子、食生活、人生の目的、日々の生活習慣、運命など、様々な要因が考えられます。この要因は、長寿を決める重要な要因です。

誰もが100歳の寿命を持って生まれてきているようですが、実際には、寿命には個人差があります。全ての人には与えられている寿命が100歳だというのは、DNAと染色体にあるようです。


テロメア

人は、60兆個の細胞から形成されています。細胞の中には核があり、核内には遺伝子が連なって、DNAを形成しています。DNAは、そのままでは整然と核の中に収めることができないほど長い分子です。

上手く収めるため、特定のタンパク質にDNAを巻き取り英字のエックス状の生体物質が形づくられ、核内に収納されています。

このエックス状の生体物質が、染色体です。染色体の末端にはテロメアという構造体が鞘のように被さっています。靴紐の先に付いている透明なプラスチックの鞘みたいなものです。

靴紐の先端と同じ様に、染色体がバラバラと解けて不安定化が起こらないように、テロメアが守っているのです。テロメアは染色体の末端いあることから、末端小粒(まったんしょうりゅう)とも呼ばれます。別名では、寿命の回数券と呼ばれています。


人は皆100歳の寿命

このテロメアの長さが人の寿命を決定づけています。人の寿命の違いは、テロメアにあったのです。人間のテロメアは誕生時に1万塩基対あると言われています。

しかしながら、年平均50塩基対づつ短くなっていくそうです。これが約5,000塩基対まで短縮すると細胞の寿命が尽きます。細胞の終わりとは、人生が最期ということで死を迎えるのです。

単純に計算すれば1万塩基対のテロメアが、年50塩基対づつ減っていくとして5,000塩基対になるまで100年という計算です。

平穏無事に生きていて、人は病気や事故などで不意に命を落とさなければ、100歳まで生きられる寿命を持って生まれているとのことです。

しかし寿命を全うできる人は、そう多くありません。日本人の平均寿命は長生きになったといえ、80歳後半です。100に届かないの半ぜでしょうか。日々の生活習慣が、テロメアをどんどん短くしてしまっているためです。

本来は、人は皆100歳の寿命を持て生まれてきているのです。


寿命の回数券テロメアの秘密

人として進化する前は、祖先はもともと海に生きる原核生物でした。その原核生物が数百億年という悠久の時を経て、人間となったのです。

人が永遠の生命を得られず、100歳の寿命になったのは、テロメアを持ったためです。

人の体は三つの制御系が連動して、正常を保っています。

神経系の制御、

内分泌系の制御、

免疫系の制御、

もしテロメアがなければ、三つの制御系を司る部位の細胞たちは、永久に生きるために自分勝手に増殖したかもしれません。適正に制御するものがなければ、制御不能となり、体の機能は正常に働けなくなります。

テロメアが染色体になかったら、人間は怪奇な生物になっていたかもしれません。

脳や手など使用頻度の高い部位の細胞が、制限なく発達して、大きくなったり、数が増えたりして、恐ろしく奇妙な形をしていたかもしれません。

特定の職業に専念している人々の手足や頭脳の発達の仕方が普通の人と違いますが、テロメアがなかったら、それ以上に発達してしまうのでしょう。

人の体とはオーケストラに例えられています。60兆個と言う細胞は、指揮者のタクトに従って、一つの個体として動くのです。

指示に従ってもらうためには、テロメアをつくって置くことで、個体が細胞を統制できるようになったのです。

「内部も外見も美しく均整を保っているのはテロメアがあるお陰」ということになります。人間が人間として進化するためにテロメアは不可欠だったのですが、その代わり約100年で寿命が尽きてしまうのです。


テロメアの研究

テロメアの研究は1930年代から始まりました。2009年にはテロメアの研究者が、ノーベル医学生理学賞を受賞しています。

テロメアについては、科学の世界では世界最高峰の賞を受けていながら、一般の世界ではほとんど認知されていませんが、テロメアを理解すれば、テロメアの保持の仕方や効果的に寿命の回数券であるテロメアの使い方を探っていくことができます。


まとめ

誰もが100歳の寿命を持って生まれてきている

エックス状の生体物質が染色体で、末端にはテロメアという構造体が鞘のように被さっている

テロメアの長さが人の寿命を決定づけている

もしテロメアがなければ、三つの制御系を司る部位の細胞たちは、永久に生きるために自分勝手に増殖した


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健康的に若返る体をつくる鍵は、テロメアにあるのです。テロメアを補填する酵素があります。それは、テロメアーゼ。テロメアーゼの働きをよくするには、ストレスを克服し、有酸素運動を取り入れ、テロメアに優しい食事と水を摂ることです。健康的に若返る体をつくるには睡眠時間の7時間は必要です。

病気にならず、日々楽しく健康的に暮らせるよう情報を提供してまいります。それに欠かせない食品、サプリメントも紹介していますのでご参照ください。

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