この記事の要約
テロメアの長さは自分自身で決めていると言われるのは、生活習慣によるものです。テロメアにとって、病気は深刻な問題です。細胞は病気によって死滅した細胞を補う時に分裂を早めるからです。肥満や高血圧、糖尿病などは、細胞が死滅しやすく、分裂を早める病と言われています。
早死にの原因とは
早死にする人が必ずしもリスク遺伝子を持っているわけではありません。これまで多くの病気は、生活習慣と遺伝的要因が互いに関与して発症すると考えられてきました。
そして100歳以上の百寿者は、病気を起こすリスク遺伝子がないのか、またはリスク遺伝子が少ないのだろうことを推測されてきました。
しかしこの通説を崩す研究結果が、2010年に発表されています。
現代の4大疾病とは、がん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病です。中高年で亡くなる人は、4大疾病とされる生活習慣病を悪化させ、命を落としています。一方100歳を超える百寿者は、がんの経験がある人は、10パーセントです。二人に一人が、がんになる現代なのですが、この数はとても少ないのです。
さらに心筋梗塞は29パーセントで、糖尿病は6パーセントです。糖尿病は遺伝的要素が強い病と言われています。飢餓にはとても強い日本人の身体は、飽食や肥満になりやすく、遺伝的に糖尿病になりやすいのです。
こうした統計により百寿者は、生活習慣病のリスク遺伝子がない恵まれた体の持ち主だと考えられてきたのです。
しかしこの通説の是非を問うべき行われた研究の結果が出ています。
がんや心臓病、糖尿病などの生活習慣病である22の主要疾患のうち30のリスク遺伝子だけの数を超高齢者群と中高年群を調べた結果は、リスク遺伝子だけの数は両群ともほぼ差がありませんでした。百寿者も一般の中年者と同じようにリスク遺伝子を持っており、リスク遺伝子の数が生活習慣病の発症を決定づけているのではないと常識が覆されたのです。（「50歳からは炭水化物をやめなさい」引用）
この結果から、寿命は生活習慣病にかかりやすい遺伝子を持っているかどうかに関係はなく、早死にしてしまう人が特別なリスク遺伝子を持っているわけでもないことが判明しました。寿命とリスク遺伝子は関係ないのです。遺伝子の影響よりも生活習慣の方が大きいようです。
寿命は自分で決めている
一般にテロメアは寿命の回数券と呼ばれています。人間の体は100歳という寿命を持って生まれてきます。
この与えられた回数券付きの寿命の期間を元気に生き続けられるかどうかは、寿命の回数券と呼ばれるテロメアの回数券の使い方にあります。
無駄な回数券の使い方をすれば、すぐになくなります。必要に応じて大事に使うのが回数券であり、減るのを防げます。テロメアも同じです。
テロメアを労わらないで自分勝手な生活をしていれば、テロメアはどんどん短くなっていきます。
しかし、テロメアのことを考えて、テロメアに優しい生活をすれば、短縮を緩やかにできます。そのように生きていけば、人間の寿命は125歳まで伸ばすことができるようなのです。テロメア・エフェクトによれば、テロメアーゼという酵素の働きによりテロメアを修復したり伸ばすことも可能だというのです。
テロメアは、寿命の回数券と呼ばれています。こうした仕組を知れば寿命とは、リスク遺伝子や運命が決めるというものではないことがわかります。健康で若さを発揮できる寿命とは、自分自身で決めることができます。
テロメアの短縮を促すもの
テロメアの短縮を促すものにはどのようなものがあるのでしょうか。
一つは細胞分裂の時です。テロメアは細胞分裂の時に、末端から消えていきます。
人間の体は、細胞分裂を繰り返しながら生命を維持しています。テロメアにとって、病気は深刻な問題です。細胞は病気によって死滅した細胞を補う時に分裂を早めるからです。肥満や高血圧、糖尿病などは、細胞が死滅しやすく、分裂を早める病と言われているので注意が必要です。
これらの病気が、テロメアを短縮させ寿命を縮めているのです。藤田先生も重度の糖尿病を二度患ったことがあるとのことです。その時にはテロメアをかなり減らしてしまったのでしょう。125歳まで元気に仕事を続けるために、残されたテロメアを大事に使わなければなりません。
そのためにも、糖質制限食を続け、糖尿病の再発予防と血圧の安定に意識を働かせているとのことです。病気をしないことがテロメアの短縮から守ってあげることなのです。
まとめ
リスク遺伝子の数が生活習慣病の発症を決定づけているのではない
与えられた回数券付きの寿命の期間を元気に生き続けられるかどうかは、テロメアの回数券の使い方にある
病気が、テロメアを短縮させ寿命を縮めている
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