この記事の要約
重要なのはテロメアに対するテロメアーゼの行動をコントロールすることなのです。 テロメアーゼの行動を正しい時に正しい細胞に働きかけるようにさせることです。そうすることでのみ、テロメラーゼは、テロメアと私たちの体を健康に保つことができるのです。
参考文献：
細胞から若返る! テロメア・エフェクト 健康長寿のための最強プログラム
1. テロメラーゼ
テロメアは、テロメラーゼを引き寄せることで、ＤＮＡを補填（ほてん）できるようです。テロメラーゼは、細胞分裂の際に失われたＤＮＡの修復を受け持つ酵素です。
テロメラーゼがテロメアをつくり、補っています。テロメラーゼはたんぱく質とＲＮＡ（リボ核酸）を含んでいます。ＲＮＡは、ＤＮＡ（リボ核酸）のコピーです。このコピーの中には、テロメアのＤＮＡ（リボ核酸）配列の鋳型が含まれています。
テロメラーゼは、ＲＮＡ（リボ核酸）の中にあるこの配列を生化学的なガイドとして使い、まっさらで正確なテロメアＤＮＡ配列を作ります。この正しい配列が必要なのはテロメアＤＮＡの土台を完璧な形に整え、それを覆うテロメア保護たんぱく質の鞘を引き寄せるためなのです。
テロメアＤＮＡの新しい断片は、テロメアーゼによって染色体の末端に付け加えられます。このプロセスを導くのがＲＮＡ（リボ核酸）の鋳型の配列とＤＮＡ文字がそれぞれのパートナーと結びつく相補結合のシステムです。
これにより、テロメアのＤＮＡを構成する正しい配列がきちんと付け加えられます。テロメアーゼは、染色体の端を再生し、すり減った分を回復させるのです。
テロメアーゼは、テロメアＤＮＡを補うことでテロメアを再建していたのです。テロメアーゼは細胞分裂の度にＤＮＡを補填し、染色体の端を再建してテロメア短縮に対抗します。 そのおかげで染色体自体は保護され、その正確なコピーが新しい細胞のために作られます。
こうして細胞は自己複製を繰り返していくことができます。細胞分裂にともなうテロメアの短縮をテロメアーゼは遅くしたり、防いだり、覆すことすらできるのです。
2．テロメラーゼの限界
テロメアはテロメアーゼによって元どおりになるとも言えます。テロメアーゼの生成に関しては人間の体はとてもけちのようです。
わたしたちの細胞は、テロメアーゼをいつでもどうぞとテロメアに提供してくれるわけではありません。 テロメアを再建するのに十分なテロメラーゼが分泌されているとはいえ、それには限りがあるようです。
年をとるとともに体の大半の細胞のテロメラーゼは徐々に活力を失って行き、テロメアは短くなっていくのです。
3. テロメラーゼのサプリメント
人工的にテロメアーゼを増やせば人間の寿命を延ばすことができるのでしょうか。「テロメアーゼを増加させるサプリメント」の広告は、それが可能だと宣伝しています。
テロメラーゼとテロメアには恐ろしい病気を遠ざけたり、人がより若く感じられるように手助けする素晴らしい特質があるようです。 「テロメアーゼを増加させるサプリメント」は万能薬ではないと言われています。
人工的に、テロメラーゼを増やす方法は命を危険にさらすことになります。 テロメラーゼには、副作用があります。人間が健康でいられるためには、良いテロメラーゼを必要とします。細胞に間違ったタイミングで過剰なテロメラーゼを供給すれば、細胞の無秩序な増加に後押しすることになります。
4. がんの特徴
細胞の無制御な増殖は、がんの特徴です。人工のテロメラーゼは細胞をがんへ進行させる危険を隠しているのです。 体は、自然な生理学的反応をします。
人工的な摂取とでは大きな違いがあります。サプリメントが植物由来の自然なものであっても植物はそもそも自然界の厳しい科学的闘争を経てきたことを忘れてはなりません。
5．テロメラーゼのコントロール
重要なのはテロメアに対するテロメアーゼの行動をうまくコントロールすることなのです。 テロメアーゼの行動を正しい時に正しい細胞に働きかけるようにさせることです。そうすることでのみ、テロメラーゼは、テロメアと私たちの体を健康に保つことができるのです。
どのようにそれを行うべきか、わたしたちの体はもともと知っています。生活習慣を大きく変えればそれを後押しすることができるのです。
6. 生き方によってテロメアとテロメアーゼに変化が生じる
実験の結果、人はどう生きるかによってテロメアやテテロメアーゼに変化が生じます。
一番強いストレスを感じている人が、テロメラーゼの量が少ないのです。 同様に、一番強いストレスを感じている人のテロメアが一番短かったのです。
特に介護に長い間携わっている人は、テロメアが短かったようです。 人は生活の中でどのような経験をするのか、その結果にどう反応するのかによって、テロメアの長さは変化する可能性があるようなのです。
そうであれば、老いることも若返ることも自分自身の反応の仕方が鍵のようです。 細胞レベルで変化を起こせることができると実験結果が証明しています。「人生はすべて実験です。実験すればするほどうまくなる」と第一部では締めくくられていました。
まとめ
テロメラーゼは、細胞分裂の際に失われたＤＮＡの修復を受け持つ酵素
年をとるとともに体の大半の細胞のテロメラーゼは徐々に活力を失って行きテロメアは短くなっていく
人工的にテロメラーゼを増やす方法は命を危険にさらすことになる
テロメアーゼの行動を正しい時に正しい細胞に働きかけるようにさせることでのみ、テロメラーゼは、テロメアと私たちの体を健康に保つ
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