この記事の要約
ポリフェノール豊富なワインとオリーブオイルは、悪玉コレステロールの酸化を防ぎます。ポリフェノールもフィトケミカルの代表的一種です。動脈硬化は、血液中の悪玉コレステロールが、活性酸素で酸化し、過酸化脂質に変性してしまいます。それを防ぐのです。
参考文献
腸をダメにする習慣、鍛える習慣 ~腸内細菌を育てて免疫力を上げる30の方法~ (ワニブックスPLUS新書)
1.フレンチパラドックス
1991年、日本に赤ワインブームを起こしたのは、フレンチパラドックスでした。
フレンチパラドックスとは、欧米諸国と比べてフランス人は、喫煙率が高く、肉類をよく食べるのに動脈硬化や、心疾患の罹患率が際立って低いことを表す造語です。
たばこの煙に含まれるニコチンには、血管を老化させる力があります。肉類は飽和脂肪酸を含み、一般には動脈硬化の原因になるので、健康に良くないと言われています。
タバコと肉料理中心の欧米諸国よりも、フランス人はこれらを多く摂っているのに動脈硬化や心臓病が少ないのは、赤ワインに理由があるのではないかと専門家の注目を浴びました。それが世界に広がったのです。
フランス人は水代わりにワインを飲むと言われるほど、赤ワインを日常的に飲むことで有名です。
2. 赤ワインのポリフェノール効果
このフレンチパラドックスが世界に広がった時、ワインの消費量が、44パーセントも増えたそうです。日本でも多くの研究者が、赤ワインの健康効果について研究を行いました。
動脈硬化と赤ワインの関係性について、国立栄養研究所とサントリーは、共同研究をしています。動脈硬化は、血液中の悪玉コレステロールが、活性酸素で酸化し、過酸化脂質に変性してしまいます。そのため、血管を傷つけることが起こります。この研究では赤ワインのポリフェノールが、悪玉コレステロールの酸化を防ぐことを解明しました。
ポリフェノールもフィトケミカルの代表的一種です。赤ワインの約500cc(500ミリリットル、ペットボトル1本分)のポリフェノールがアルツハイマー病の原因になるタンパク質を分解することが確認され、認知症の改善に効果があることがわかりました。
ぶどうの種や皮に、ポリフェノールが豊富に含まれています。赤ワインは、大量のぶどうを丸ごと使い、酵母によるアルコール発酵して醸造されます。
この赤ワインは、ポリフェノールをたくさん摂ることができる発酵飲料です。健康に良いと言え、アルコールを含む赤ワインは、飲み過ぎれば健康を害します。飲んでしまったら車の運転はできませんね。
適量:1日2杯程度
この適量ならば、健康を増進する力があると言えます。
3. オリーブオイル
オリーブオイルも、ポリフェノールを含む食品として有名です。
ポリフェノールの含有量が多いオリーブオイルは、ビタミンEも豊富です。
ビタミンEの効果は、細胞膜の酸化を防ぎ、老化防止に働くフィトケミカルです。オリーブオイルは、酸化しにくいオイルです。オレイン酸を多く含んでいるからです。他の植物油は酸化しやすい性質です。
オリーブオイルの歴史は、紀元前4,000から3500年前から使われていたと言われています。ギリシャ地方には、オリーブの実から油を採っていた形跡が残されています。古くからオリーブ油を使用してきた地中海沿岸の人たちも、脂肪を多く摂取しますが、動脈硬化や心疾患が少ないことで知られています。
オリーブの世界一の生産地は、スペインのアンダルシア地方です。ここで生産されるオリーブオイルは、良質で有名です。
オリーブオイルにもいくつか種類があります。お薦めなのは、エキストラバージンオイルです。それ以外のオリーブオイルは、抗酸化成分や有効成分が取り除かれてしまっています。というのは、蒸気や溶剤などを入れて生成されているからです。
エキストラババージンオイルは、オリーブの実だけを原料とし、低温圧搾だけで作られたものです。酸度0.8パーセントのオイルのためポリフェノールが豊富で、高い抗酸化力があります。
エキストラバージンオイルは、腸の働きをスムーズにし、腸内細菌の働きを整える働きがあることが示されています。
まとめ
フレンチパラドックスとは、喫煙率が高く、肉類をよく食べるのに動脈硬化や、心疾患の罹患率が際立って低いことを表す造語
フレンチパラドックスが世界に広がった時、ワインの消費量が、44パーセントも増えた
オリーブオイルも、ポリフェノールを含む食品として有名