この記事の要約
中高年の体は酸素を使って働くのです。糖質は徐々に減らしていくというアドバイスは、活性酸素の大量発生を防ぐためです。高齢になると糖質はあまり摂らない方が健康のためです。活性酸素を発生させないためには、主食などを少なめにした方が快適に過ごせます。
参考文献:
腸をダメにする習慣、鍛える習慣 ~腸内細菌を育てて免疫力を上げる30の方法~ (ワニブックスPLUS新書)
1.持久力のミトコンドリアエンジン
人間の体は、年を重ねていくとともに解糖エンジンからミトコンドリアエンジンへ比重が変化していきます。個人差はありますが、40歳代からだんだんと比重がミトコンドリアエンジンになっていくとのことです。
20歳代までは、全力疾走ができ回復力も早かったのを覚えています。40歳代以降、50歳代になってからは、短距離ではスピードは出ませんが、10キロメートル程度なら、持久力がつき、鍛えていれば、その力が加齢とともに増していくのを感じます。
50歳以上になると、ほとんどの人は、ミトコンドリアエンジンがメインに動くようになるとのことです。40歳以降の体は、持久力がつくようになります。そのため、瞬発力を作り出す解糖エンジンは、あまり必要ではなくなります。
解糖エンジンは燃費が悪く、持久力としては使えません。加齢と共に燃費の悪い解糖エンジンから燃費がいいミトコンドリアエンジンへ移行されていきます。このことが、老いた体に感じることなのでしょうか。10代、20代に全力で走った体が、今ないのです。
40歳以降は、低燃費体に変化していくので、あまり食物を必要としなくなります。ミトコンドリアは、日常食べている食物から栄養素と酸素を原料として、効率よくエネルギーを生み出してくれるからです。
2.ミトコンドリアの数
細胞の働きによって、細胞内のミトコンドリアの数は違ってきます。
脳、腸、肝臓、腎臓などエネルギーの要求の大きいい細胞には、数百から数千ものミトコンドリアが、含まれてるとのことです。
赤血球や皮膚は、解糖エンジンで動いているため、赤血球や皮膚の細胞にはミトコンドリアがほとんど見られません。
エネルギーの生産方法は、年齢や細胞の働きによって変わります。ミトコンドリアエンジンでは、発動時に、解糖エンジンのアシストが必要になります。いきなりギアのトップからスタートできないわけです。ギアのローを動かすには、重いため、解糖エンジンが必要になるわけです。
スタートするときは、瞬発力と力がある解糖エンジンが動き、動き出したのちに、ミトコンドリアエンジンが動き出すという仕組みです。ミトコンドリアエンジンが動き出すと、ギアがトップに入って、低燃費の酸素を使って膨大なエネルギーを生み出します。
誤解していけないことは、ミトコンドリアエンジンに移行されたからといっても、全く解糖エンジンが使われなくなったというわけではないのです。ギアのローを使うには解糖エンジンが必要なのです。
ミトコンドリアエンジンに移行された後に、解糖エンジンをフル稼働させていると、ミトコンドリアエンジンがうまく作動できなくなるとのことです。この状態は、高速道路を長い間、ローかセカンドで走り続けてしまうみたいなものですね。
その結果、誤作動を起こし、大量に取り入れた酸素で活性酸素を発生させてしまいます。
3.ミトコンドリアエンジン
人の体は、1日に500リットルの酸素を取り入れ、食事から摂った栄養素を燃やし、エネルギーを作り出していると言われています。この作業過程で、2%の酸素が活性酸素へ変化しています。
メインエンジンがミトコンドリア系に移行された後も、解糖エンジンをフルに働かせていると、大量の活性酸素を発生させることになります。こうなると、発生した活性酸素を除去する必要が出てきます。
中年と呼ばれる年齢になったら、糖質は徐々に減らしていくようにというアドバイスは、活性酸素の大量発生を防ぐためです。
高齢になったら、糖質はあまり摂らない方が健康のためです。
中高齢以降には、メインエンジンが切り替わります。活性酸素を発生させないためには、主食や間食をあまり摂らない方が快適に過ごせるようです。実際、年を取るとともに、食欲は減っていきます。
大好きな食事を我慢するとストレスになり、それが原因で、活性酸素を発生させることになります。主食は、白く精製されたものではなく、玄米、五穀米、全粒粉のパンを摂れば、体は満足します。
腸内細菌にとっては、これらの食物は、食物繊維が豊富でとても良いのです。食物繊維が豊富であれば、消化吸収に時間がかかり、解糖エンジンを抑えることができるとのことです。
糖質制限には、マメ類、芋類、果物類も糖質制限の対象になりますが、これらは適度に摂っていれば問題ないそうです。食物繊維は、腸内細菌を増やし活性酸素を減らす大切な食材になります。
まとめ
40歳代からだんだんと比重がミトコンドリアエンジンになっていく
細胞の働きによって、細胞内のミトコンドリアの数は違っている
中高年期以降、解糖エンジンをフルに働かせていると大量の活性酸素を発生させる
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