この記事の要約
地中海式食事法はテロメアを長くするのは、全粒穀物、野菜、果物、豆類、きのこ、魚などの低脂肪で高たんぱく質、ビタミンやミネラルを多く含んだ新鮮な食材を食べるからです。「賢明な食の在り方」と呼ばれ、テロメアが長く、健康で若々しく生きている人々です。
1. 二つの食習慣
※伸長:長さ・力がのびること。また、のばすこと。
世界の食習慣は二つのカテゴリーに大別されます。
一つ目は、精製された穀類などの炭水化物、食物繊維が抜き取られた甘いジュース、ソーダ水、加工された肉を沢山食べるグループ。
二つ目は、全粒穀物、野菜、果物、豆類、きのこ、魚などの低脂肪で高たんぱく質を多く食べるグループです。このグループは、地中海式食事法とも呼ばれ、医師の多くが勧めています。
このような地中海式食事法は、様々なスタイルが世界中にありますが、共通している点は、新鮮で健康的な皮も根っこもまるごと食べる「全体食」を多岐に渡って食べている事です。野菜や海草類などは食物連鎖のプラミッドの下の方に存在しています。
研究者の人々は、これを「賢明な食の在り方」と読んでいるとの事です。住む地域に関わらず、このような新鮮で全体食を摂る人々のテロメアは比較的に長いのだそうです。さらに、地中海式食事法を続けている人々は、年を取ってからでもテロメアが長かったのです。
2. 地中海式食事法
この地中海式食事法を守ってきた人ほど、健康状態が良く、日常生活の様々な活動に参加していました。
海藻や魚を沢山食べてきた人は、10年後、精製食品、加工品、加工肉を多く食べていた人々よりも、テロメアが長かったと報告されています。
テロメアの健康のための食品は、他にもあります。豆類、ナッツ類、海藻類、果物類、乳製品などです。
砂糖入りジュース、加工肉や加工品を多く摂取している人たちの白血球のテロメアは、賢明な食事を摂る人々よりも短かったとの事です。
加工された肉は、テロメアにとって悪影響があることが分かっています。加工肉とは、薫製や塩ずけ、ハム、ソーセージ、コンビーフなど保存処理をした肉を指します。
新鮮で健康的な食事をしていれば、特定の食品を不安がるよりも、食事を楽しみ、炎症、酸化ストレス、インスリン抵抗性を改善できるようになるとの事です。
3. コーヒと健康
地中海式食事法とコーヒーとの関わりは、ないにも思えますが、コーヒーには、テロメアを伸長する働きがあります。
コーヒーは、体に悪いと思っている人がいるようですが、健康におよぼす作用が、数100件に渡る研究で検証されてきました。
結果は、認知力低下や肝臓病やメラノーマ(黒色細胞腫)などの発病リスクがコーヒーで減るという研究報告がされています。
コーヒとテロメアの長さに関する実見報告は現状では一つです。実験結果によりますと、ほぼ前向きな結果だったどうです。
慢性的な肝臓病患者40人を対象にコーヒーが健康を改善するかどうか検証することになりました。1日にカップ4杯のコーヒーを飲むグループと、飲まないグループをランダムに分けられました。
1ヶ月後、飲むグループの方が、テロメアが著しく長くなったとの事です。さらに、血中の酸化ストレスが低下していました。
4000人を対象にしたカフェイン入りのコーヒーを飲んでいる女性は、テロメアの伸長が多く認められ、飲んでいない被験者は、テロメアの伸長がほとんど確認できませんでした。
これは、テロメアの伸長に関する実験結果であり、体全体の健康となると、カフェインを習慣的に摂取するには多少のリスクが伴います。
緑茶も脳に良いと言われていますが、仕事でカフェインに頼ると、カフェインが切れた時に、イライラしたり、神経質になったり、やる気を失ったりします。
カフェインの刺激を長い間受けていると、副腎に負担をかけてしまいカフェインの過剰摂取が動脈に付着する悪玉コレステロールを増やしてしまいます。
テロメアの伸長だけを考えたらコーヒーは、いいのかもしれませんが、体全体のことを考えたらカフェインの過剰摂取の害は相当あるようです。
この実験結果は、コーヒーがテロメアを伸長させるのかカフェインが伸長させるのかが論点になります。
もしカフェインがテロメアを伸長させているのであれば、緑茶や紅茶でもいいわけです。カフェインが副腎にかける負担があるのであれば、カフェイン抜きのコーヒーやお茶には、テロメア伸長の効果があるのか、確認してみたいと思います。
まとめ
世界の食習慣は二つのカテゴリーに大別、加工品と地中海式食事法
地中海式食事法は新鮮で全体食
地中海式食事法は食物連鎖ピラミッドの底辺