この記事の要約
テロメアを長くする生活は心身ともに健康な生活を送ることです。心身ともに健康的な生活のためには、お金であったり協力的な人間関係は影響を及ぼしますが、それがすべてではありません。それよりも、身の回りのことに対する捉え方のほうが大きな影響を及ぼします。
テロメア
見た目は、年の割に若く見られますか、それとも老けて見られますか。普通に、年相応でしょうか。
もし年相応よりも老けていると思われていたとしても、残念に思わないでください。細胞レベルで若返ることが可能です。
テロメアとは、染色体の先に鞘のようにかぶさっている部分のことです。肉体を構成している細胞の寿命と関係しています
染色体とは、細胞の核にあたり、遺伝情報が詰まったDNAがあるところです。切った爪がまた伸びて、裂けた皮膚がくっついて治るように、肉体の細胞は日々、分裂を繰り返し、再生しています。
この細胞分裂の回数には限界があります。限界が来ると、細胞は死んでしまいます。
この細胞の分裂回数が、限度に達していくと老化現象が起こります。テロメアは、細胞の寿命と関係していて細胞分裂のたびにどんどん短くなっていきます。
端的にはテロメアが長いと細胞は若く、テロメアが短くなってくると細胞はその寿命に近づいています。
生まれたばかりの子どものテロメアの長さを1万とすると35歳のテロメアは7500くらいです。65歳以上のテロメアは4800くらいらしいのです。
20年ぶりの同窓会で同い年のはずなのに、若々しく元気な友達がいるかと思うと全く逆に疲れ切って老けている友達がいるというのは、テロメアの長さに関係があります。
テロメアの長さを維持できれば、いつまでも若々しくいられるということになるのです。それでは、テロメアの長さを意図的にコントロールすることなど可能なのでしょうか。
細胞レベルのアンチエイジング
テロメアの短くなるスピードを弱めるばかりか、逆に長さを伸ばすことも可能です。その鍵となるのがテロメラーゼという酵素です。
このテロメラーゼが、細胞分裂のたびに短くなってしまうテロメアを保護し、その長さを維持する働きがあります。
テロメアの長さが維持されることは、細胞分裂を何回も繰り返せるということです。細胞分裂を何回も繰り返せるということは、いつまでも新鮮な状態に再生し続けることができるということです。
テロメア研究の基となったテトラヒメラという微生物は、そのてテロメアの長さが一向に短くならないため、延々と細胞分裂を繰り返し、不死の状態を維持するのです。
そのテトラヒメラからテロメラーゼを取り除いたところ、細胞分裂のたびにテトラヒメラはどんどん短くなり、死んでしまいました。
テロメラーゼが十分あれば、テロメアは長さを維持し細胞は何回も分裂を繰り返し、新しく生まれ変わることができます。
そればかりではなく、このテロメラーゼの働きによって、テロメアは短くなる以上に長さを伸ばすことさえ可能であることがわかっています。
老化現象を細胞レベルで見たとき、細胞分裂の繰り返しによる細胞の老いであると言い換えることができます。
細胞が老化するのは、細胞の核にある染色体の先のテロメアの長さを短くしていき、これ以上分裂して再生できなくなる状態です。
テロメラーゼという酵素は細胞分裂の際テロメアが短くなってしまうのを防ぎ、その長さを補って以前よりも長くすることさえあります。
十分なテロメラーゼを準備し、いつまでもテロメアの長さを維持し続けていれば細胞は何度も新鮮に再生し、私たちは若々しい状態を維持できるのです。
テロメラーゼを準備するには
どのようにすれば、テロメラーゼを十分に準備することができるのでしょうか。
人のテロメアの長さとテロメラーゼの量については、もともと生まれ持った遺伝子レベルでの影響があります。
ある程度は先天的にその傾向は決まっています。しかし、それ以上に後天的な要素によってその傾向は、覆すことが可能です。
どうすればいいのでしょうか。それは、精神面と肉体面の両方から健康的な生活を送ることが重要な鍵となります。
簡単なようですが、「そんなことか」と思ってはいけません。
心身ともに健康な生活は、非常に大事なことだと言っても過言ではありません。ストレスが多く、メンタル的にやられてしまう生活では、テロメラーゼは十分用意できません。
運動不足、寝不足、栄養不足な生活をすると、テロメラーゼば十分に用意できません。
テロメラーゼが十分に用意できないということは、細胞分裂が繰り返されるたびに、テロメアの長さが短くなっていきます。それで、細胞はその寿命に近づいていくのです
逆にストレスをポジティブに捉え瞑想習慣を持ち、良好な人間関係を持っている人のテロメアは、そうでない人と比べると長いままです。
適度な運動習慣、規則正しい睡眠生活、正しい知識に基づいた食生活を持つ人のテロメアは、そうではない人と比べると長いままです。
人間の寿命を大きく分けると、健康寿命期間と疾患期間に分けられます。まだ、20代30代40代と若ければ、無理を続けていても何とかやり過ごしていけます。
テロメアを短くしない生活
しかしながら、テロメアは日々短くなっています。テロメアの長い人は健康寿命が長く疾患期間は少なくなります。
テロメアの短い人は、人生の早い段階で、疾患期間に突入してしまいます。テロメアが短くなってから焦るのではなくテロメアが、まだ長いうちに、その長さを維持できるように努力することが重要です。
テロメアの長さを維持するように努力するのは、心身ともに健康な生活を送るということです。
もちろん心身ともに健康的な生活のためには、お金であったり協力的な人間関係は影響を及ぼしますが、それがすべてではありません。
それよりも、身の回りのことに対する捉え方のほうが大きな影響を及ぼします。
どのような状況であっても、今すぐ健康な一歩を踏み出すことは可能です。それはあなた次第なのです。
参考文献:YouTube:【アンチエイジング入門】細胞レベルで若返る秘訣とは!?(健康・ダイエット・筋トレ)
まとめ
細胞分裂の回数には限界があり、限界が来ると、細胞は死んでしまう
テロメアは日々短くなっていて、テロメアの長い人は健康寿命が長く疾患期間は少なくなる
テロメラーゼという酵素は細胞分裂の際テロメアが短くなってしまうのを防ぎ、その長さを補って以前よりも長くすることさえある