ショートニングは脳を破壊する

ショートニングは脳を破壊する

この記事の要約

参考文献:

腸をダメにする習慣、鍛える習慣 ~腸内細菌を育てて免疫力を上げる30の方法~ (ワニブックスPLUS新書)

安価な植物油やトランス脂肪酸などのショートニングは脳を破壊するのです。脳の約60パーセントが脂質でできているのでトランス脂肪酸の影響を強く受けます。トランス脂肪酸は、必須脂肪酸の役割を果たせず脳の細胞膜が不安定になり脳の伝達機能は衰えます。オメガ3脂肪酸を意識的に摂ることが大切です。


1. オメガ3とオメガ6脂肪酸

スーパーや食料品店には、これほど世の中に悪い油が出回っているのですから、その怖さを知らない人が多いのだろうと思います。油といっても、様々な種類があります。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は、必須脂肪酸と呼ばれています。

人体にとって重要なのは、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスです。オメガ3脂肪酸の摂取量が少なく、オメガ6脂肪酸の摂取量が増えているアンバランスな状態が、現代の食生活です。

オメガ3脂肪酸は、亜麻仁油、シソ油、エゴマ油のほか、イワシやサンマの油などに含まれています。これらの食材があまり摂られていないので、現代の日本人に積極的に摂って欲しいのです。

オメガ6脂肪酸は、紅花油、コーン油、ごま油、大豆油、グレープシードオイルなどです。日常的に使用している油の多くは、オメガ6脂肪酸です。


2. アンバランスな状態

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の理想的な摂取量:1対1から1対4

現代人の食事は、理想からかなりかけ離れており、1対10から1対30だと言われています。

オメガ3脂肪酸の摂取量が減少し、オメガ6脂肪酸の摂取量が増加しているアンバランスの状態は、人体に悪影響をもたらします。最大の悪影響とは、うつ病をもたらす可能性が高くなることです。


3. 脳神経が急激に発達する幼児期

フランス国立研究所のオーマンゾーニ博士らは、次のように仮説を立てました。

脳神経が急速に発達する幼児期に、脂肪酸の栄養バランスが慢性的に悪い状態にあると成人した後、抑うつや、不安など、情動に悪影響をもたらす。

マウス実験の結果、オメガ3脂肪酸が、胎児期から慢性的に足りていないマウスは、抑うつ行動が現れた。また脳神経の働きも、柔軟性を欠くものだった。オメガ3脂肪酸の不足が、脳神経の働きと、情動行動に有害な結果をもたらすと明らかにした。


4. オメガ3脂肪酸の不足がなぜ脳に影響があるのか

脂が脳の働きに影響を与えるのは、脳の60パーセントが、脂質でできているからです。脳は、脂を絶えず欲しています。脳にとって、良質な脂かどうかなど関係ありません。脂を絶えず必要としているので、脂の供給量が減れば、どんな脂でも摂るように指令を出してきます。


5. オメガ3脂肪酸は高価

スーパーマーケットや食料品店へ行ったら、油を含む製品を確認してみたいと思います。オメガ3脂肪酸を含む食品はごく少量で、オメガ6脂肪酸を含む食品ばかりだということなのです。

オメガ6脂肪酸を含む植物油は、安価なのですが、オメガ3脂肪酸を含む亜麻仁油やシソ油、エゴマ油は高価なのです。

安価なオメガ6脂肪酸を豊富に含む植物油は、広範囲に流通し、入手し安くなっています。そのため、オメガ6脂肪酸を含む食品は、とても身近になり、脳に命じられるまま、やたらと食べてしまっているのかもしれません。


6. うつ病が急増している理由

20世紀に入って、オメガ6脂肪酸を多く含む植物油の摂取量が増加してることで、うつ病が急増していると考えられています。オメガ6脂肪酸は、炎症性のある生理活性物質の原料になりますが、一方、オメガ3脂肪酸は、炎症を抑えて、免疫を増強する生理活性物質の原料になります。


7. オメガ6脂肪酸の報告

うつ病患者は、オメガ6脂肪酸の生理活性物質のレベルが高い

オメガ6脂肪酸を摂りすぎると、アレルギーが起こりやすくなる


8. オメガ3脂肪酸

脂肪酸のアンバランスを調整するには、オメガ3脂肪酸を意識的に摂ることが大切です。問題は、オメガ3脂肪酸は、非常に酸化しやすいという短所があります。

酸化された脂が体内に吸収されると、細胞膜にダメージを与えます。それが原因で、周りの細胞の老化を進行させる可能性があります。参加してしまっては、よい脂も害になってしまいます。

これを防ぐ方法は次の通りです。

少量ずつ買い求める、

開封後は、早めに使い切る、

冷暗所に保存する、

加熱調理を避ける、

食べる直前に料理にかける、


9. オメガ3脂肪酸を摂るためのレシピ

新鮮な青魚を使ったお魚のカルパッチョ

薄切りにしたお刺身に軽く岩塩をふりかけ、亜麻仁油やえごま油を垂らし、上からレモンやライムを絞ります。美味しくて効果的にオメガ3脂肪酸を摂ることができます。


10. 危険なトランス脂肪酸

多くの専門家の方が食べるのを控えたい脂として、トランス脂肪酸を挙げています。トランス脂肪酸は脂に水素を添加して、人工的につくった脂肪酸です。

脂肪を研究している科学者の間では、「脂に水素添加することをオイルをプラスチック化する」と言われています。トランス脂肪酸は、プラスチックと同じで、自然界には存在しません。そのため自然界では分解されない物質と言われています。

トランス脂肪酸を多く含む食品:人工的に大量に生産できるので安価な食べ物に多いです。

マーガリン、ショートニング、フライドポテト、ビスケット、クッキー、クラッカー、パイ、ドーナッツ、ケーキ、シュークリーム、アイスクリーム、菓子パン、クロワッサン、インスタント麺、スナック菓子など、

ポテトやチキンをカラッと揚げ、ドーナッツをサクサクとした食感にするために、ファストフードの店では、植物性ショートニングを高温で溶かし、揚げ油として使っていると言われています。これを表面にプラスチックでコーティングすると表現しています。

フライドポテトが大好きな人が、ファストフード店で買っては食べていました。彼は身の回りをあまり気にしない人で、車の掃除を二年ぶりにしたそうです。いつ落としたかわからないフライドポテトが出てきました。埃は被っていましたが、そのポテトはカビ一つ生えていませんでした。その後、恐ろしくなって、フライドポテトを食べることは。しなくなったのだそうです。

スーパーサイズミーというアメリカのドキュメンタリー映画

監督のモーガンスパーロックが、30日間ファストフードを食べ続けた記録映画

その監督は、体重が11キログラム増え、うつ状態になりました。性欲は減退し、かなり深刻な肝臓の炎症を起こしていたのです。害はそればかりにとどまらず、ファストフードを食べずにはいられなくなる中毒症状も現れました。

自然界に存在しないトランス脂肪酸は体内に入ってきても、必須脂肪酸としての役割は果たせないのです。そのため、細胞膜の構造や働きに不具合を生じさせます。結果として、体内で活性酸素が生じるようになるのです。


11. トランス脂肪酸の悪影響は脳に

脳が、このトランス脂肪酸の影響を最も強く受けると考えられています。脳の約60パーセントが脂質でできているからです。

トランス脂肪酸が脳にダメージを与える理由は、次の通りです。

脳を構成する脂質にはオメガ3脂肪酸が欠かせない

オメガ3脂肪酸が不足している場合には、トランス脂肪酸でさえも脳の脂肪の代用として使われる

トランス脂肪酸は、必須脂肪酸の役割を果たせないので脳の細胞膜が不安定になる

脳の伝達機能は衰える

脳の活動に必要な酵素を破壊し、注意欠陥障害、ADDや注意欠陥多動障害ADHDなどを引き起こす

米国神経学会の学術誌に、2004年に発表された論文:

シカゴ郊外の65際以上の住民2560人を長期間追跡調査した結果、

トランス脂肪酸を多く摂っている高齢者は、認知症になる確率が高かった

WHO世界保健機関は、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギーの1パーセント未満にするという基準を設けた

欧米を中心に、世界では厳しい規制が広がった

アメリカや韓国などでは、トランス脂肪酸の表示が義務ずけられた

デンマークでは2003年から最終製品に含まれる油脂100グラム中の油脂トランス脂肪酸を2グラム以下という規制を設た

2011年11月から、脂肪税という制度で、健康に悪影響を及ぼす食品に課税が行われた

2012年1月には、新たに通称チョコレート税も設けられた


12. 日本ではトランス脂肪酸について規制がない

日本では、トランス脂肪酸の義務表示ですらいまだに設けられていないのです。2012年に開かれた内閣安全委員会の専門調査会では、通常の食生活では、健康への影響は少ないとして、日本国内での規制は不要という内容をまとめたというのです。

理由は、多くの日本人の摂取量は1パーセント未満なので心配ないからです。これはおかしいですよ。どう考えても、おかしすぎます。過剰になっているトランス脂肪酸の消費場所にしているのではないかとさえ思えてしまいます。おまけに、病人を増やして行く計画でもあるようにも思えてなりません。

ポテトチップやアイスクリーム、菓子パンの大好きな人はたくさんいて、日常的に食べている子供も決して少なくありません。

それらの人々の摂取量は、基準値を超過する可能性が十分あると言われているほどです。悪い脂を摂ると脳を破壊します。国が規制を設けないのですから、自分でトランス脂肪酸を避け、健康を守るしかないのです。


まとめ

人体にとって重要なのは、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランス

オメガ6脂肪酸を多く含む植物油の摂取量が増加してることで、うつ病が急増している

新鮮なオメガ3脂肪酸を意識的に摂ることが大切

脳がこのとランス脂肪酸の影響を最も強く受ける


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