活性酸素の毒性は異常に強いこと

活性酸素の毒性は異常に強いこと

この記事の要約

活性酸素の毒性は異常に強いことでよく知られています。活性酸素が、細胞を攻撃すると細胞膜の脂質が酸化します。活性酸素を除去する鍵は、よく噛んで食べることにあります。噛む理由は唾液をよく出せるからです。唾液には活性酸素を除去する有効な酵素があります。

参考文献:

腸をダメにする習慣、鍛える習慣 ~腸内細菌を育てて免疫力を上げる30の方法~ (ワニブックスPLUS新書) 


1.便利な生活は、体を老いさせ、ボケさせる

活性酸素の毒性は、異常に強いことで、よく知られています。活性酸素が、細胞を攻撃すると細胞膜の脂質が酸化します。酸化とは、錆びることです。細胞膜が錆びると、栄養と老廃物の出し入れが、うまくできなくなる現象が生じます。ドアのちょうつがいが錆で動けなくなるようなものです。

栄養が行き渡らなくなり、細胞は老朽化します。活性酸素は、細胞の核に納められた遺伝子を傷つけます。傷つけられた遺伝子は、がん細胞に変異したり、死滅したりします。活性酸素は、腸内細菌やNK細胞も活性酸素によって、影響を受けてしまいます。

活性酸素を浴びると腸内細菌は数を急激に減らし、NK細胞は活力を弱めてしまいます。腸内細菌が減りNK細胞が弱まると、免疫力が弱まり、重大な病気を起こしやすくなってしまうのです。現代の研究者は、老化と活性酸素の研究をよく行っています。老化とは、体内が錆びつくこと、すなわち酸化することと同じことだと言われています。

細胞が錆びつくことすなわち酸化することで、白髪が増え、物忘れば多くなり、肌のシミやシワが増え、視力が低下するななどの老化現象が起きます。このような老化現象を避けるには、活性酸素の発生量を抑える必要があるのです。


2.よく噛んで食べることが体を守る

そのための鍵は、よく噛んで食べることにあります。噛む理由は、唾液をよく出せるからです。唾液には、活性酸素を除去する酵素があるというのです。要するに唾液にいかに絡ませるかが重要なようです。

猫に餌を手に乗せて与えると唾液がよくくっつきます。動物は食べるときに多くの唾液を出して食べていることが確認できます。

カタラーゼ、スーパーオキシターゼ、SOD、ペルオキシターゼ、PODなどの酵素が、消化酵素とともに含まれていて、発がん物質の毒出し作用もあります。これらの酵素は唾液の中に沢山含まれます。

※カタラーゼ(catalase)は、過酸化水素を不均化して酸素と水に変える反応を触媒する酵素です。

※スーパーオキシドディスムターゼ (Superoxide dismutase, SOD) は、細胞内に発生した活性酸素を分解する酵素です。

※ペルオキシダーゼ (peroxidase,EC番号 1.11.1.x) は、ペルオキシド構造を酸化的に切断して2つのヒドロキシル基に分解する酵素です。

唾液は噛めば噛むほど分泌量が増えることは、だれもが経験していると思います。体の抗酸化力を高める方法は、唾液を沢山出すことが鍵のようです。30秒間噛めば、唾液の働きにより活性酸素を除去できるらしいのです。1回噛む時間は、1秒、計30回必要になる回数です。


3.噛んで食べると記憶力が高まる

よく噛んで唾液を出す食べ方が、病気を防ぎ、老化を遅らせるのです。記憶力を高める鍵は、よく噛んで食べることにあるようです。

思考計画の立案や学習行為を司るのは、前頭前野で行われます。脳の前頭前野と海馬が噛むことで刺激され、活性化されます。噛むことは、脳への影響力も強くなりますので、子供たちの歯はしっかりチェックしておかないと、学習効果に影響が出てしまいます。

論理的な思考力や、記憶力は年とともに衰えていきます。そう言われると、年を取るにつれて、感情的になってきていくのも感じます。よく噛むだけで脳が、活性化される実践的な方法ですね。

一口30回噛んで食べる習慣が、人を元気にさせます。早食いの人にとって、このゆっくりした食べ方が、なかなか身に付きませんが、辛抱強く習慣化してみてください。

30回食べる理由は、現代の生活環境が、文明の発達により活性酸素を出すもので溢れています。生活環境だけが変わりましたが、人間の体は昔と変わってはいません。


4.現代環境は活性酸素で取り囲まれてる

体に活性酸素を浴びると細胞内でも活性酸素が発生するというのですから、強力です。さらに、活性酸素は、細胞に触れただけで錆びさせ老化を促進させるほどの恐ろしさです。活性酸素を甘く見てはいけないですね。

ところが、活性酸素には、体内に侵入してきた病原菌を退治してくれる役割もありますので、活性酸素も免疫機能の一部です。そのため、快適な生活環境に過ごし慣れてしまうと、体内では、問題も生じます。

新たに発明された触れたことのない物質に出会うと体の中の免疫機能は、敵だと感じて活性酸素を発生させるのです。

太古からほとんど変化のない体は、便利な生活環境での新しいものに触れることになります。通勤通学で利用する駅の改札口です。ICカードをタッチするか通すだけで人が通過するシステムです。

鉄道会社にとては、人件費の削減に繋がるのでしょうが、利用者にとっては、機械に触れさせられるだけで大量の電磁波を浴びてしまいます。

家庭の中にも、テレビ、ドライヤー、スマートフォン、携帯電話、パソコン、電子レンジ、IHクッキングヒータなど電気を使うものは、電磁波を放ち、利用者はそれを浴びざるを得ません。便利さと同時に、健康を引き換えているのです。

最も近距離で使うものほど活性酸素を発生しやすいと言われています。電磁波以外でも、大気汚染や水道水に含まれる塩素、建築材料に用いいられる新建材など化学物質に触れると体は、活性酸素を発生させてしまいます。

現代人は昔に比べると電化製品や抗菌グッズの発達により活性酸素から逃れられなくなってしまっているのです。この現代の環境は、きれいなようで目に見えない恐ろしい物でうごめいているようです。

現代環境では、活性酸素の発生量を抑えることが、病気から遠ざかる鍵とも言えるようです。その一つが、唾液を出すためによく噛んで食べることが、身近な抗酸化方法と言えるようです。


まとめ

活性酸素が細胞を攻撃すると細胞膜の脂質が酸化する

よく噛んで食べることが体を守る

よく噛んで唾液を出す食べ方が、病気を防ぎ、老化を遅らせる

最も近距離で使うものほど活性酸素を発生しやすい


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