「スタンフォード式 疲れない体」を聴いて感じたことの11回目です。11回目は、IAP呼吸法が取り入れられた経緯についてです。
この記事の要約
IAP呼吸法が取り入れられた理由については、筋肉より神経に着目したIAP呼吸法を科学的メソットにしたものの凄さを知ったからです。生活習慣やスポーツの動作で体に癖がついたものを子供が成長する過程の順序で取得した身体機能を取り戻していくのです。
参考文献:本
疲労を自動的にブロックできないか
スタンフォードでIAP呼吸法をスポーツ医局で用いるようになったのは、発想の転換からだったとのことです。
疲れとは眠っている間になくなってしまうものだと思われていました。それでも取れない頑固な疲労は、ストレチ・トレーナーが専門家として対処するのが一般的でした。
トレーナーとしては、疲労を解消するために時間を割くよりは、試合の成績を上げたり選手の状態を良くするために時間を使いたいと思っています。
疲れを病原菌に例えたらそれらをブロックする方法がないだろうか、選手個人がコントロールして疲れを予防できないだろうかと思案していたようです。
人はそのような問題解決に熟考している時、ふとした時に閃きが舞い降りてくるものです。
ファンクショナル・トレーニング
スポーツ医学の世界では、1990年代の終わり頃から、ファンクショナルトレーニングが注目され始めました。
ファンクショナルトレーニングとは、自分の体にあった効率のいいトレーニングで、一つの筋肉に対する筋力トレーニングではなく、怪我の予防、成績の向上を図り競技ごとに自分に合った練習をするトレーニングです。
選手個人の体にあっていて、効率的で無駄な動きがないファンクショナル・トレーニングを行えが、疲れはある程度コントロールできると閃いたようです。
筋肉より神経に着目した身体機能理論
チェコの理学療法士、パベル・コラー博士が提唱するDNS: Dynamic Neuromuscular Stabilization(動的神経筋安定化)という理論があります。これは、筋肉より神経に着目したものです。
ハベル・コラー博士は、IAP呼吸法を科学的メソットにしました。そしてスタンフォードでは、他では取り入れてないIAPの理論を積極的にアスリートに取り入れたのです。
成人になるにつれて、生活習慣やスポーツの専門動作によって、無意識のうちに体の癖がついてきます。
この癖の多くが、本来人間が持っているはずの優れた機能奪った悪い状態になる場合があるのです。
その癖を改善させる為に、子供が成長する過程の順序に従って取得した身体機能を取り戻していくのがDNSです。
その段階で重要なのは、皆赤ん坊の時に、お腹の圧力を保ったまま呼吸をしていたということです。
乳児期、腹圧呼吸をすることで体は少しづつ安定し、首が座り、寝返りが打て、立てるようになるのです。
この過程が、体の中心が安定し、スムーズに中枢神経と体の各部が連携する全ての人に共通する効率的な体の使い方です。
これをIAP呼吸法という科学的メソットにしたのが、ハベルコラー博士でした。
この方法を取り入れてから、選手たちは、「前と比べて翌日に疲れが残りにくくなり、体が安定し、腕がよく回るようになってきた」という報告があり、競技の枠を超えて、スポーツ医局全体で、IAP呼吸法を用いることにしたのです。
現在では、選手のコンディショニングや、ダメージの予防、ダメージからの回復に欠かせない大変重要なメソットになっているとのことです。
まとめ
ファンクショナルトレーニングとは、自分の体にあった効率のいいトレーニング
癖を改善させる為に、子供が成長する過程の順序に従って取得した身体機能を取り戻していくのがDNS
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